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超級バラエティ研究所:バラエティ番組のヒーローたち

番外編:60年代のお笑い時代劇ヒーロー

*ここでは、『てなもんや三度笠』など1960年代に放送されたお笑い時代劇を取り上げます。


てなもんや三度笠(ABC/TBS系)

あんかけの時次郎(藤田まこと)
・出身地=泉州・信太
主人公。やくざ者の浪人で、相棒の珍念と共に親分の命令で旅をすることに。
馬面で、おっちょこちょい。女性に滅法弱い。
毎回スポンサーの前田製菓のクラッカーの宣伝を兼ねている“あたり前田のクラッカー”という
決めセリフが大受けだった。いつも懐に前田のクラッカーを入れている。
*「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!」

          <あんかけの時次郎について(情報提供:熊田猫吉左衛門さん,珍宝院釈法伝さん)>
『沓掛の時次郎』という時代劇に同名の主人公が出てきます。沓掛[くつかけ]というのは中山道の宿場、
現在の中軽井沢ですが、倒した敵の妻子の面倒を見ようとする話です。『てなもんや三度笠』でも藤田さんの
歌がすばらしいけれど、『沓掛の時次郎』の主題歌も大ヒットしたらしいです。
『一本刀土俵入』という時代劇では、相撲取りからヤクザになった駒形茂兵衛という主人公が、
食いつめていた頃に助けてくれた女性に恩を返そうとがんばります。
どちらも古くから映画化されていて、当時は有名だったし、しかも義理人情に厚い主人公が、
優しさゆえに悩み傷つく悲劇だから、似た名前の登場人物がお笑い番組で明るく活躍している姿は、
視聴者はうれしかったんじゃないかと思います。
あんかけの時次郎を“浪人”と呼ぶのは正確ではないかもしれないです。浪人は、武士が仕官していない
状態ですよね。あんかけの時次郎のような状態は、普通、“渡世人”“侠客”“博徒”といいます。
農民(国定忠治、木枯し紋次郎)とか、町人(清水次郎長)とかがグレてヤクザになるのが一般的です。
『二本差の弥太郎』という時代劇で武士がヤクザになった例もあることはあるんですが、
ヤクザになった後はもう武士でも浪人でもないです。
但し、ヤクザ一味に浪人が参加する場合、いわゆる“用心棒の先生”は、浪人のままだから、
断言はできないです。
沓掛時次郎と駒形茂平は、大衆文学の巨匠、長谷川伸氏の作品の登場人物。長谷川氏の作品は、映画のみ
ならず、歌舞伎、新国劇、大衆演劇で、繰り返し上演され、ある年代以上の人には、馴染みのある名前でした
から、当時、この番組を観ていた人達には、そのパロディだと、すぐに気づいたはずです。

珍念(白木みのる)
時次郎の相棒である小柄な僧侶で、#3から登場。インテリ。食い物に関しては目が無い。
駒下駄茂兵衛(香山武彦)
シリーズ中盤から時次郎&珍念の仲間になった。相撲取りだが、泣き虫。大食漢。
※故・美空ひばりさんの弟。姉の威光をもってしても大成せず、早逝しました。

蛇口一角(財津一郎)
いつも奇声を発するずっこけ浪人。清水一角+丹下左膳のパロディキャラ。
長い舌を出して、愛用の刀をなめるのが癖である。「〜してチョーダイ!」が口癖。
*「キビシィーッ!」「ひじょーに、サビシィーッ!」
桜富士夫(財津一郎)
シリーズ後半からのレギュラーで、写真師。やっていることや口調は蛇口一角と一緒。甲高い声が特徴。

カバ男(原哲男)
毎回の冒頭の“あたり前田のクラッカー”CMコントに登場する時次郎の宿敵(?)。
様々な変装をして時次郎に何かと絡んでくるが、いつも時次郎に負けてしまう。


とんま天狗(読売テレビ/NTV系)

頓馬天狗尾呂内南公[おろない なんこう](大村崑)
鞍馬天狗のパロディヒーロー。名前の通りとんま。関西弁で喋り、驚くとメガネがずれ落ちるのが癖。
気合を込めて大上段の刀の柄に手を掛けると、一瞬にして敵を倒してしまう必殺技がある。
名前の由来はスポンサーである大塚製薬のオロナイン軟膏から。
*「姓は尾呂内、名は楠公」
         <とんま天狗の由来について(情報提供:熊田猫吉左衛門さん)>
武家で崇拝される歴史上の英雄豪傑の中でも特に天皇家への忠誠心ではおそらく一番評価が高い
楠木正成が、楠公[なんこう]と呼ばれておりまして、鞍馬天狗も勤王倒幕派、
徳川より朝廷の味方だから、そのへんが下敷きになってるわけです。
たしか番組のスポンサーだったんですよね。
学生服のカンコーは御存知のとおり菅公、学問の神様である菅原道真で、そのたぐい。
あと、とんま天狗は左手だけで抜刀するんですが、これが非常にかっこいいので当時みんながマネしたそうです。
やり方は、逆手(小指側が鍔)で握って前へ抜き出し、刃が円弧を描く途中で人差指だけを
少し遅らせるように指を開き、空中で順手(親指側が鍔)に持ち替えます。逆手抜刀自体は居合に
実在するもので(空中で持ち替えたりとかは普通しませんが)、後ろを突いたり敵に囲まれたときは便利です。

近藤勇三(芦屋小雁)
とんま天狗の宿敵で、新選組の近藤勇のパロディ。新撰組の局長。
行く先々で土方大三ら部下を率いてとんま天狗を邪魔するが、毎回必ず斬り捨てられる。
しかし不死身なので、とんま天狗は安心して彼を斬り捨てることができる。
*「斬られたヨー!」
土方大三(不明)
新撰組の一員。
月形三平太(不明)
月形半平太のパロディ。


情報提供:熊田猫吉左衛門さん,珍宝院釈法伝さん


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